サーバ セットアップ

1. 対象とする環境

この資料では、次の環境で Webtribe を起動するための手順について説明します。

OS

Windows

Linux

Windows

Java

Java SDK 11

Java SDK 11

Java SDK 11

サーブレットコンテナ

Jakarta Tomcat 6.0.29

Jakarta Tomcat 6.0.29

Jakarta Tomcat 6.0.29

データベース

Oracle 11g

PostgreSQL

DB2 8.1


補足補足
データベース接続
ここでは JDK 11が動作するWindows に Oracle または DB2 を、 Linux に PostgreSQL をセットアップするという内容になっておりますが、データベース接続に関する設定については、Windows, Linux とも同じです。
Windows 環境で PostgreSQL をお使いになる場合は Linux 環境での PostgreSQL 接続の説明を参照してください。
また、Linux 環境で Oracle, DB2 をお使いになられる場合は、Windows 環境での Oracle, DB2 接続の説明を参照してください。

注意注意
Tomcat 6.x との組み合わせで Webtribe を使う場合、Tomcat は スペースを含まないディレクトリにセットアップしておく必要があります。(Windows の場合だけでなく Unix 系の OS で Tomcat 使う場合も同じです。)
スペースを含むディレクトリ内に Tomcat をセットアップすると、サーバトランザクションの実行時にエラーが発生する、という現象が確認されております。

参考例Example...
Tomcat をセットアップしたディレクトリのパス
× : C:\Program Files\Apache Group\Tomcat 6.0
× : C:\Tomcat 6.0
○ : C:\Tomcat6.0

この現象は、URL 内で使用できない文字をエスケープしないまま URL に変換してしまうメソッド java.io.File#toURL() を Tomcat が呼んでいることによるものです。
http://docs.oracle.com/javase/jp/8/api/java/io/File.html#toURL%28%29

また、Webtribe をセットアップする時の設定項目を次のようにします。これらの項目を別の値にする場合は、適宜読み替えてください。

項目

Oracle

PostgreSQL

DB2

説明

プロジェクト名

myproject

myproject

myproject

Webtribeでは 1台のサーバで複数のシステムを稼動することができますが、
そのひとつひとつをプロジェクトと呼びます。

リポジトリデータベースのユーザID myprojectrp myprojectrp db2admin リポジトリデータベースに接続する時に使用するユーザID
リポジトリデータベースのパスワード myprojectrp myprojectrp db2admin リポジトリデータベースに接続する時に使用するパスワード
業務用データベースのユーザID myprojectap myprojectap db2admin 業務用データベースに接続する時に使用するユーザID
業務用データベースのパスワード myprojectap myprojectap db2admin 業務用データベースに接続する時に使用するパスワード

RMI通信ポート

56246

56246

56246

Webtribeを構成するサーバプログラム間でのRMI通信で使用するポートの番号。


補足補足
ここでは個々の開発アプリケーションの単位をプロジェクトと呼んでいます。
プロジェクト名は次のような箇所で使われます。

補足補足

RMI 通信ポートの番号は他のアプリケーションとぶつからないようにしておく必要があります。
また、プロジェクトごとに別々にしておく必要があります。

参考例Example...1台のサーバでプロジェクトを 2つ起動する場合のポート番号。
1台のサーバでプロジェクトを 2つ起動する場合のポート番号。
myproject1 : 56246
myproject2 : 56247


 

2. 前提

ここでは次のような環境設定になっているという前提で進めます。
IP アドレスやディレクトリ構成などが異なっている場合は、適宜読み替えてください。

項目

Windows + Oracle

Linux + PostgreSQL

Windows + DB2

IP アドレス

192.168.1.1

192.168.1.1

192.168.1.1

OS

Windows 2008/2012/7/8

Linux(RedHatLinux系)

Windows 2008/2012/7/8

JDKのバージョン

Java SDK 11

Java SDK 11

Java SDK 11

JDK のセットアップディレクトリ

c:\Program Files\Java\jdk-11

/usr/java/jdk-11

c:\Program Files\Java\jdk-11

Tomcat のバージョン

6.0.29

6.0.29

6.0.29

Tomcat のセットアップディレクトリ

c:\Tomcat6.0

/opt/apache-tomcat-6.0.29

c:\Tomcat6.0

Tomcat の HTTP ポート番号

8080

8080

8080

DBMS名 バージョン

Oracle 11g

PostgreSQL 7.3

DB2 8.1

JDBC ドライバへのファイルパス

c:\jdbc\ojdbc6.jar

/opt/java/lib/postgresql.jar

c:\jdbc\db2java.zip

データベース が稼動するホスト

127.0.0.1

127.0.0.1

127.0.0.1

JDBC のポート番号

1521

5432

6789

リポジトリ用データベース名

myprojectrp

myprojectrp

projrp

アプリケーション用データベース名

myprojectap

myprojectap

projap

Oracle の SID

ORCL


 

3. Windows + Oracle でのサーバセットアップ

3-1. WAR ファイル展開

  1. war ファイルをコピー
    CD-ROM またはダウンロードしたファイルから webtribe.war をコピーします。
    コピー先は Tomcat の webapps ディレクトリです。
    今回の例では、c:\Tomcat6.0\webapps ディレクトリに webtribe.war をコピーします。
  2. webtribe.war をリネーム
    コピーした webtribe.war をプロジェクト名にリネームします。
    今回の例では、myproject.war にリネームします。
  3. Tomcat を起動
    Tomcat を起動すると、myproject というディレクトリが c:\Tomcat6.0\webapps に作成され、その中に myproject.war の内容が展開されます。
    すでに Tomcat が起動している場合は、いったん終了してから起動し直します。
補足補足
この段階でのディレクトリ構成は次のようになります。
c:\Tomcat6.0
    |
    +-- webapps
          |
          +-- myproject
                |
                +-- images
                +-- META-INF
                +-- WEB-INF
                      |
                      +-- client(Java Application Client)
                      |     |
                      |     +-- conf(クライアント用設定ファイル)
                      +-- conf(サーバ用設定ファイル)
                      +-- lib(サーバ用 JAR ファイル)
                      +-- logs(サーバ用ログ出力先)
                      +-- ntservice(以下省略)
                      +-- pid(UNIX 環境用)
                      +-- repository
                            |
                            +-- db(リポジトリDB 構築用 Create 文)
                            +-- import(リポジトリ初期設定用 XML ファイル)

3-2. リポジトリDB 作成

リポジトリ定義情報を格納するためのデータベースを作成します。


Oracle の場合は次のような手順になります。
  1. リポジトリ用表領域作成
    テーブルを格納するための表領域を作成します。
  2. ユーザ作成
    プロジェクト用の Oracle ユーザアカウントを作成します。
  3. テーブル作成
    リポジトリ定義情報を格納するテーブルを作成します。

ここでは、次のような前提で進めていきます。

項目 内容
表領域名 MYPROJECTRP
リポジトリ用表領域のファイル名 C:\Oracle\oradata\ORCL\myprojectrp.dbf
リポジトリ用表領域のサイズ 50MB
作業用表領域 TEMP
Oracle ユーザID myprojectrp
Oracle パスワード myprojectrp
Oracle ユーザに与える権限 connect, resource, create view

補足補足
Oracle セットアップ時にデフォルトで作成される作業用表領域の名称は次のようになります。
Oracle 8.0 : TEMPORARY_DATA
Oracle 8i : TEMP
Oracle 9i : TEMP
Oracle 10g : TEMP
Oracle 11g : TEMP

ポイントPoint
リポジトリ定義情報を格納するのに必要な表領域のサイズは、開発規模により異なります。
おおよその目安として、上記 50MB のサイズで 30画面~50画面程度の規模のシステムを格納することができますが、余裕を持ってもう少し大きめのテーブルスペースを確保されることをお勧めします。
さらに規模が大きいシステムを構築される場合は、表領域を大きめにしておかれることをお勧めします。

  1. 表領域作成
    SQL Plus を起動し、ユーザ SYSTEM で接続します。
    C:\>sqlplus system/manager
    次の SQL を入力して表領域を作成します。
    create tablespace myprojectrp datafile 'C:\Oracle\oradata\ORCL\myprojectrp.dbf'
    size 50m reuse
    autoextend on next 512k
    minimum extent 64k
    default storage ( initial 500k next 500k minextents 1 maxextents unlimited pctincrease 0);
    

  2. ユーザ作成

    表領域が作成されたら、次の SQL を入力してユーザを作成します。

    create user myprojectrp identified by myprojectrp
    default tablespace myprojectrp
    temporary tablespace TEMP;
    grant connect, resource, create view to myprojectrp;
    

  3. テーブル作成
    テーブルを作成するための SQL は、WAR ファイルを展開したディレクトリにあります。
    ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\repository\db ディレクトリにあります oracle.sql または OracleClob.sql になります。
    • oracle.sql
      フリーSQL、HTMLソースといった 255文字を超えるデータを Oracle の LONG型カラムに格納するように定義された CREATE文が記述されています。
      リポジトリ を格納する データベース が Oracle 8.0, 8i, 9i の場合に使います。
    • OracleClob.sql
      フリーSQL、HTMLソースといった 255文字を超えるデータを Oracle の CLOB型カラムに格納するように定義された CREATE文が記述されています。
      リポジトリ を格納する データベース が Oracle 10g 以上の場合に使います。
      ポイントPoint
      OracleClob.sql を使ってテーブルを作成する場合は、それにあわせて ToolDBServer でステートメントクラス WedgeOracleClobDBStatement が選択されるよう ToolDBServer.wdg の記述を設定しておく必要があります。
      参照 : ToolDBServer.wdg の設定 - ステートメントクラス


    いったん SQL Plus を終了し、上記 SQL のあるディレクトリに移動します。次に作成したユーザ myprojectrp を使って SQL Plus で接続し直します。
    C:\>cd c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\repository\db
    c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\repository\db>sqlplus myprojectrp/myprojectrp
    
    SQL Plus から次のコマンドを入力して、oracle.sql または OracleClob.sql を実行します。
    @oracle.sql
    または
    @OracleClob.sql
    テーブルが作成されたら SQL Plus を終了します。

3-3. 業務用DB 作成

業務用テーブルを格納するためのデータベースを作成します。

補足補足
すでに業務用テーブルがある場合は、読み飛ばしてください。


Oracle10g以上の場合は次のような手順になります。
  1. 表領域作成
    テーブルを格納するための表領域を作成します。
  2. ユーザ作成
    プロジェクト用の Oracle ユーザアカウントを作成します。
  3. テーブル作成
    業務用データを格納するテーブルを作成します。

ここでは、次のような前提で進めていきます。

項目 内容
表領域名 MYPROJECTAP
業務用表領域のファイル名 C:\Oracle\oradata\ORCL\myprojectap.dbf
業務用表領域のサイズ 100MB
作業用表領域 TEMP
Oracle ユーザID myprojectap
Oracle パスワード myprojectap
Oracle ユーザに与える権限 connect, resource, create view

補足補足
上記表領域のサイズは一例ですので、適宜変更してください。

  1. 表領域作成
    SQL Plus を起動し、ユーザ SYSTEM で接続します。
    すでに別ユーザで SQL Plus を使って Oracle に接続している場合は、いったん終了してユーザ SYSTEM で接続しなおします。
    C:\>sqlplus system/manager

    次の SQL を入力して表領域を作成します。

    create tablespace myprojectap datafile 'C:\Oracle\oradata\ORCL\myprojectap.dbf'
    size 100m reuse
    autoextend on next 512k
    minimum extent 64k
    default storage ( initial 500k next 500k minextents 1 maxextents unlimited pctincrease 0);
    

  2. ユーザ作成

    表領域が作成されたら、次の SQL を入力してユーザを作成します。

    create user myprojectap identified by myprojectap
    default tablespace myprojectap
    temporary tablespace TEMP;
    grant connect, resource to myprojectap;
    

  3. テーブル作成
    いったん SQL Plus を終了し、作成したユーザ myprojectap を使って SQL Plus で接続し直し、業務用テーブルを作成するための SQL を実行します。

3-4. コンフィグレーション編集


コンフィグレーションの設定には次の 2通りの方法があります。
  1. sed によるコンフィグレーションファイルの一括置換。
    ディレクトリ設定やポート番号の指定等の設定は、いくつかのコンフィグレーションファイルに記述しておく必要があります。 この設定をファイルに指定しておき、そのファイルを sed が読み込んで、コンフィグレーションファイルを一括置換する方法です。
    一括置換を行うためには sed が必要になります。
    また、bash を使って sed を起動する仕組みになっていますので、bash も必要になります。
    sed, bash はcygwin等に含まれていますので、まだ sed がない場合は、まず cygwin 等をセットアップしてください。
  2. 手作業でコンフィグレーションファイルを編集。
    エディタを使ってコンフィグレーションファイルを編集します。

3-4-1. sed によるコンフィグレーションファイルの一括置換

  1. 置換内容を編集。
    置換内容を記述したテンプレートが用意されていますので、そのファイルを編集します。
    テンプレートのファイル名は windows.sed で、今回の例では c:\Tomcat6.0\webapps\myproject にあります。
    補足補足
    テンプレートファイルやコンフィグレーションファイル内では、置換対象文字列は s#@{置換対象文字列}#置換後文字列#g という形式で記述されています。


    今回の例では、テンプレートファイルを次のように編集します。
    置換対象文字列 置換後文字列 備考
    @{WEDGEROOT} @{TOMCATHOME}/webapps/@{PROJECTID}

    プロジェクトのディレクトリを指定します。

    (例) c:\Tomcat6.0\webapps\myproject

    今回は変更する必要はありません。

    @{WEDGESERVERROOT} @{TOMCATHOME}/webapps/@{PROJECTID}/WEB-INF プロジェクト内でのサーバディレクトリを指定します。

    (例) c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF

    今回は変更する必要はありません。

    @{PROJECTNAME} myproject プロジェクト名を指定します。
    @{JAVAHOME} c:\\Program Files\\Java\\jdk-11 JDKをセットアップしたディレクトリを指定します。
    sed で \ を指定する場合は、二重に記述(\\)する必要がありますので注意してください。
    @{SERVERHOSTFORSERVER} localhost

    Webtribe の各サーバ間で接続するための IP アドレスを指定します。

    @{SERVERHOSTFORCLIENT} 192.168.1.1 サーバ(セットアップをしているマシン)にクライアントから接続するための IP アドレスを指定します。
    @{HTTPPORT} 8080 HTTP 接続をするためのポート番号を指定します。
    今回は Tomcat のデフォルト設定を使いますので、8080 に設定します。
    @{RMIPORT} 56246 RMI 通信で使用するポート番号を指定します。
    今回は 56246 を指定します。
    @{HTMLALIAS} /@{PROJECTID} HTML ドキュメントにアクセスするための URI を指定します。
    今回は変更する必要はありません。
    @{SERVLETALIAS} /@{PROJECTID}/servlet サーブレットにアクセスするための URI を指定します。
    今回は変更する必要はありません。
    @{TOOLJDBCDRIVER} c:/jdbc/ojdbc6.jar リポジトリデータベースに接続するために使う JDBC ドライバのパスを指定します。
    @{TOOLJDBCCLASS} oracle.jdbc.OracleDriver リポジトリデータベースに接続するために使う JDBC ドライバのクラス名を指定します。
    @{TOOLJDBCURL} jdbc:oracle:thin:@127.0.0.1:1521:ORCL リポジトリデータベースに接続するための JDBC の URL を指定します。
    @{TOOLJDBCUSER} myprojectrp リポジトリデータベースに接続するためのユーザIDを指定します。
    @{TOOLJDBCPASS} myprojectrp リポジトリデータベースに接続するためのパスワードを指定します。
    @{SQLXML} Sql.ora リポジトリデータベースにアクセスする SQL が格納された WedgeServer.jar 内でのパスを指定します。
    このパスは JAR ファイル内での conf/xml 以下のパスを指定します。

    今回は Oracle を使いますので、WedgeServer.jar 内の conf/xml 以下にある Sql.ora を指定します。
    @{RUNJDBCDRIVER} c:/jdbc/ojdbc6.jar 業務データベースに接続するために使う JDBC ドライバのパスを指定します。
    @{RUNJDBCCLASS} oracle.jdbc.OracleDriver 業務データベースに接続するために使う JDBC ドライバのクラス名を指定します。
    @{RUNJDBCURL} jdbc:oracle:thin:@127.0.0.1:1521:ORCL 業務データベースに接続するための JDBC の URL を指定します。
    @{RUNJDBCUSER} myprojectap 業務データベースに接続するためのユーザIDを指定します。
    @{RUNJDBCPASS} myprojectap 業務データベースに接続するためのパスワードを指定します。
    @{SERVERRULEPATH} lib/wedge-rule-common-1.6.0.jar,lib/wedge-rule-server-1.6.0.jar RunApServer がダイナミックにロードするロジッククラスのパスを指定します。
    複数指定する場合はカンマ(,)で区切ります。
    使用するロジッククラスが class ファイルとして存在する場合は、ディレクトリを指定します。
    (例) classes ディレクトリに class ファイルが存在する場合。
    classes,lib/wedge-rule-common-1.6.0.jar,lib/wedge-rule-server-1.6.0.jar
    @{RUNCLIENTATTESTATION} PmcAttestation RunClient の認証方法を指定します。
    PmcAttestation, RunClientAttestation のどちらかが指定できますが、今回は PmcAttestation のままにしておきます。
    @{DESKTOP} 上の項目で PmcAttestation を指定した場合は、この設定は無視されますので、何も指定しないままにしておきます。
    RunClientAttestation を指定した場合は、Project Management Consoleで設定したデスクトップの物理名を指定します。
    @{PROJECTID} myproject プロジェクト名を指定します。
    @{TOMCATHOME} c:/Tomcat6.0 Tomcat をセットアップしたディレクトリを指定します。
    この設定は Java のプログラムが参照しますので、円マーク(\), スラッシュ(/) のどちらでも使えますが、円マークを指定する場合は、二重に指定してください。 c:\\Tomcat6.0
    @{SOCKETPORT} 54321 管理サーバに接続するためのポート番号を指定します。
    この番号は、ライセンスファイルに記述されているポート番号と同じ番号を指定します。
    @{CONTROLSERVLETALIAS} /WebtribeControlServer/servlet 管理サーブレットに接続するための プロジェクト名(URI) を指定します。


  2. sed を実行して一括置換。
    コマンドプロンプトを開きます。
    プロジェクトディレクトリ(c:\Tomcat6.0\webapps\myproject)に移動します。
    次のコマンドを実行します。
    bash makeconf.sh windows.sed
    (makeconf.sh の中から sed を呼び出しています。)
    この結果、sed.files に登録されているファイルに対して、一括置換が行われます。

3-4-2. 手作業によるコンフィグレーションファイル編集

次のように各コンフィグレーションファイルを編集します。

3-5. サービス登録

Webtribeはバッチファイル、サービスのどちらからでも起動できます。
Webtribeをサービスから起動、停止できるようするためには、サービスに登録する必要があります。
Webtribeをバッチファイルからのみ起動される場合は、読み飛ばしてください。

  1. サービス登録
    Webtribeをセットアップしたディレクトリの WEB-INF\ntservice ディレクトリにある regist.bat を実行します。
    ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\ntservice\regist.bat を実行します。

    注意注意
    サービスの登録を行うには、管理者権限が必要になります。 Windowsに管理者権限をもつユーザでログオンしてから、サービスの登録を実行してください。


  2. 確認
    コントロールパネルからサービスの画面を開き、登録されているかどうか確認します。
    今回のケースでは次のサービスが登録されます。
    • myprojectRMI
    • myprojectRunApServer
    • myprojectRunDBServer
    • myprojectRunDBServerJob
    • myprojectToolApRmi4Engine
    • myprojectToolApServer
    • myprojectToolDBServer
    • myprojectWaker

補足補足
登録したサービスを削除する場合は、unregist.bat を実行します。
ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\ntservice\unregist.bat になります。

3-6. 起動

まず、Tomcat を再起動します。
まだ Tomcat を起動していない場合は、起動します。

次に Webtribe を起動します。
Webtribeの起動は、バッチファイルから起動する方法と、サービスから起動する方法の 2通りがあります。

ポイントPoint
Webtribeを実行するためには Tomcat の他に、事前に Oracle が起動している必要があります。
まだ、起動していない場合は、起動しておいてください。

3-6-1. バッチファイルによる起動

WEB-INF ディレクトリにある run.bat を実行します。
ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\run.bat になります。

ポイントPoint
各コマンドプロンプト画面の最後に「successfully」と表示されたら、正常に起動しています。

ポイントPoint
run.bat はすべてのサーバプログラムを起動するため、まだ動作確認ができていない段階でエラーが出ると、どこでエラーが起きているかがわかりにくくなります。
プロジェクトを新規作成した後、初めてWebtribeを起動する場合は、まずひとつずつ正常に起動することを確認していく方法をお勧めします。

ひとつずつ動作確認する場合は、次の順番でバッチファイルを実行してください。
  1. RMI.bat
  2. ToolDBServer.bat
  3. ToolApServer.bat
  4. ToolAp4Engine.bat
  5. RunDBServer.bat
  6. RunDBServerJob.bat
  7. RunApServer.bat

3-6-2. サービスによる起動

サービスから myprojectWaker を開始します。
myprojectWaker を開始すると、それに依存している他のサービスも開始します。

ポイントPoint
各サービスでコンソール(標準出力)に出力された内容はログファイルに記録されます。
ログファイルは各サービスのディレクトリ(WEB-INF\ntservice ディレクトリ以下)に、起動した年月日、時刻のファイル名で作成されます。
各ログの最後に「successfully」と出力されていたら、正常に起動しています。
(Waker のサービスは正常に起動しても、ログに「successfully」は出力されません。)

ポイントPoint
myprojectWaker はすべてのサーバプログラムを起動するため、まだ動作確認ができていない段階でエラーが出ると、どこでエラーが起きているかがわかりにくくなります。
プロジェクトを新規作成した後、初めてWebtribeを起動する場合は、まずひとつずつ正常に起動することを確認していく方法をお勧めします。

ひとつずつ動作確認する場合は、次の順番でサービスを開始してください。
  1. myprojectRMI
  2. myprojectToolDBServer
  3. myprojectToolApServer
  4. myprojectToolApRmi4Engine
  5. myprojectDBServer
  6. myprojectRunDBServerJob
  7. myprojectRunApServer

 

4. Linux でのサーバセットアップ

4-1. WAR ファイル展開

  1. war ファイルをコピー
    CD-ROM またはダウンロードしたファイルから webtribe.war をコピーします。
    今回の例では、/opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps ディレクトリに webtribe.war をコピーします。
  2. webtribe.war をリネーム
    コピーした webtribe.war をプロジェクト名にリネームします。
    今回の例では、myproject.war にリネームします。
  3. Tomcat を起動
    Tomcat を起動すると、myproject というディレクトリが /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps に作成され、その中に myproject.war の内容が展開されます。
    すでに Tomcat が起動している場合は、いったん終了してから起動し直します。
補足補足
この段階でのディレクトリ構成は次のようになります。
/opt/apache-tomcat-6.0.29
    |
    +-- webapps
          |
          +-- myproject
                |
                +-- images
                +-- META-INF
                +-- WEB-INF
                      |
                      +-- client(Java Application Client)
                      |     |
                      |     +-- conf(クライアント用設定ファイル)
                      +-- conf(サーバ用設定ファイル)
                      +-- lib(サーバ用 JAR ファイル)
                      +-- logs(サーバ用ログ出力先)
                      +-- ntservice(UNIX 環境では不要)
                      +-- pid(UNIX 環境用)
                      +-- repository
                            |
                            +-- db(リポジトリDB 構築用 Create 文)
                            +-- import(リポジトリ初期設定用 XML ファイル)

4-2. 実行属性セット

Webtribeが提供するシェルスクリプトファイルに実行属性をセットします。

4-3. リポジトリDB 作成

リポジトリ定義情報を格納するためのデータベースを作成します。


PostgreSQL の場合は次のような手順になります。
  1. ユーザ作成
    プロジェクト用の PostgreSQL ユーザアカウントを作成します。
  2. データベース作成
    リポジトリ定義情報を格納するデータベースを作成します。
  3. テーブル作成
    リポジトリ定義情報を格納するテーブルを作成します。

ここでは、次のような前提で進めていきます。

項目 内容
データベース名 myprojectrp
PostgreSQL ユーザID myprojectrp
PostgreSQL パスワード myprojectrp
PostgreSQL ユーザに与える権限 createdb

  1. ユーザ作成
    psql を起動し、ユーザ postgres で接続します。
    次の SQL を入力してユーザを作成します。同ユーザにはデータベース作成権限を付与しています。
    ユーザが作成できたら \q で psql を終了します。
    create user myprojectrp with password 'myprojectrp' createdb;
    

  2. データベース作成
    シェル から次のコマンドを入力してデータベースを作成します。
    createdb -U myprojectrp myprojectrp
    

  3. テーブル作成
    テーブルを作成するための SQL は、WAR ファイルを展開したディレクトリにあります。
    ここでは /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject/WEB-INF/repository/db/pgsql.sql になります。
    /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject/WEB-INF/repository/db ディレクトリに移動して、シェル から次のコマンドを入力します。
    psql -d myprojectrp -U myprojectrp < pgsql.sql

4-4. 業務用DB 作成

業務用テーブルを格納するためのデータベースを作成します。

補足補足
すでに業務用テーブルがある場合は、読み飛ばしてください。


PostgreSQL の場合は次のような手順になります。
  1. ユーザ作成
    プロジェクト用の PostgreSQL ユーザアカウントを作成します。
  2. データベース作成
    業務情報を格納するデータベースを作成します。
  3. テーブル作成
    業務情報を格納するテーブルを作成します。

ここでは、次のような前提で進めていきます。

項目 内容
データベース名 myprojectap
PostgreSQL ユーザID myprojectap
PostgreSQL パスワード myprojectap
PostgreSQL ユーザに与える権限 createdb

  1. ユーザ作成
    psql を起動し、ユーザ postgres で接続します。
    次の SQL を入力してユーザを作成します。同ユーザにはデータベース作成権限を付与しています。
    ユーザが作成できたら \q で psql を終了します。
    create user myprojectap with password 'myprojectap' createdb;
    

  2. データベース作成
    シェル から次のコマンドを入力してデータベースを作成します。
    createdb -U myprojectap myprojectap
    

  3. テーブル作成
    作成したユーザ myprojectap を使って psql で接続し、業務用テーブルを作成するための SQL を実行します。

4-5. コンフィグレーション編集


コンフィグレーションの設定には次の 2通りの方法があります。
  1. sed によるコンフィグレーションファイルの一括置換。
    ディレクトリ設定やポート番号の指定等の設定は、いくつかのコンフィグレーションファイルに記述しておく必要があります。 この設定をファイルに指定しておき、そのファイルを sed が読み込んで、コンフィグレーションファイルを一括置換する方法です。
    一括置換を行うためには sed が必要になります。
    また、bash を使って sed を起動する仕組みになっていますので、bash も必要になります。
  2. 手作業でコンフィグレーションファイルを編集。
    エディタを使ってコンフィグレーションファイルを編集します。

4-5-1. sed によるコンフィグレーションファイルの一括置換

  1. 置換内容を編集。
    置換内容を記述したテンプレートが用意されていますので、そのファイルを編集します。
    テンプレートのファイル名は linux.sed で、今回の例では /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject にあります。

    補足補足
    テンプレートファイルやコンフィグレーションファイル内では、置換対象文字列は s#@{置換対象文字列}#置換後文字列#g という形式で記述されています。


    今回の例では、テンプレートファイルを次のように編集します。
    置換対象文字列 置換後文字列 備考
    @{WEDGEROOT} @{TOMCATHOME}/webapps/@{PROJECTID}

    プロジェクトのディレクトリを指定します。

    (例) /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject

    今回は変更する必要はありません。

    @{WEDGESERVERROOT} @{TOMCATHOME}/webapps/@{PROJECTID}/WEB-INF プロジェクト内でのサーバディレクトリを指定します。

    (例) /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject/WEB-INF

    今回は変更する必要はありません。

    @{PROJECTNAME} myproject プロジェクト名を指定します。
    @{JAVAHOME} /usr/java/jdk-11

    JDKをセットアップしたディレクトリを指定します。

    @{SERVERHOSTFORSERVER} localhost

    Webtribe の各サーバ間で接続するための IP アドレスを指定します。

    @{SERVERHOSTFORCLIENT} 192.168.1.1 サーバ(セットアップをしているマシン)にクライアントから接続するための IP アドレスを指定します。
    @{HTTPPORT} 8080

    HTTP 接続をするためのポート番号を指定します。

    今回は Tomcat のデフォルト設定を使いますので、8080 に設定します。

    @{RMIPORT} 56246

    RMI 通信で使用するポート番号を指定します。

    今回は 56246 を指定します。

    @{HTMLALIAS} /@{PROJECTID}

    HTML ドキュメントにアクセスするための URI を指定します。

    今回は変更する必要はありません。

    @{SERVLETALIAS} /@{PROJECTID}/servlet

    サーブレットにアクセスするための URI を指定します。

    今回は変更する必要はありません。

    @{TOOLJDBCDRIVER} /opt/java/lib/postgresql.jar リポジトリデータベースに接続するために使う JDBC ドライバのパスを指定します。
    @{TOOLJDBCCLASS} org.postgresql.Driver リポジトリデータベースに接続するために使う JDBC ドライバのクラス名を指定します。
    @{TOOLJDBCURL} jdbc:postgresql://127.0.0.1/myprojectrp?encoding=EUC_JP リポジトリデータベースに接続するための JDBC の URL と文字コードを指定します。
    @{TOOLJDBCUSER} myprojectrp リポジトリデータベースに接続するためのユーザIDを指定します。
    @{TOOLJDBCPASS} myprojectrp リポジトリデータベースに接続するためのパスワードを指定します。
    @{SQLXML} Sql.pgsql リポジトリデータベースにアクセスする SQL が格納された WedgeServer.jar 内でのパスを指定します。
    このパスは JAR ファイル内での conf/xml 以下のパスを指定します。

    今回は PostgreSQL を使いますので、WedgeServer.jar 内の conf/xml 以下にある Sql.pgsql を指定します。
    @{RUNJDBCDRIVER} /opt/java/lib/postgresql.jar 業務データベースに接続するために使う JDBC ドライバのパスを指定します。
    @{RUNJDBCCLASS} org.postgresql.Driver 業務データベースに接続するために使う JDBC ドライバのクラス名を指定します。
    @{RUNJDBCURL} jdbc:postgresql://127.0.0.1/myprojectap?encoding=EUC_JP 業務データベースに接続するための JDBC の URL と文字コードを指定します。
    @{RUNJDBCUSER} myprojectap 業務データベースに接続するためのユーザIDを指定します。
    @{RUNJDBCPASS} myprojectap 業務データベースに接続するためのパスワードを指定します。
    @{SERVERRULEPATH} lib/wedge-rule-common-1.6.0.jar,lib/wedge-rule-server-1.6.0.jar RunApServer がダイナミックにロードするロジッククラスのパスを指定します。
    複数指定する場合はカンマ(,)で区切ります。
    使用するロジッククラスが class ファイルとして存在する場合は、ディレクトリを指定します。

    (例) classes ディレクトリに class ファイルが存在する場合。
    classes,lib/wedge-rule-common-1.6.0.jar,lib/wedge-rule-server-1.6.0.jar
    @{RUNCLIENTATTESTATION} PmcAttestation RunClient の認証方法を指定します。
    PmcAttestation, RunClientAttestation のどちらかが指定できますが、今回は PmcAttestation のままにしておきます。
    @{DESKTOP} 上の項目で PmcAttestation を指定した場合は、この設定は無視されますので、何も指定しないままにしておきます。
    RunClientAttestation を指定した場合は、Project Management Consoleで設定したデスクトップの物理名を指定します。
    @{PROJECTID} myproject プロジェクト名を指定します。
    @{TOMCATHOME} /opt/apache-tomcat-6.0.29 Tomcat をセットアップしたディレクトリを指定します。
    /opt/apache-tomcat-6.0.29
    @{SOCKETPORT} 54321 管理サーバに接続するためのポート番号を指定します。
    この番号は、ライセンスファイルに記述されているポート番号と同じ番号を指定します。
    @{CONTROLSERVLETALIAS} /WebtribeControlServer/servlet 管理サーブレットに接続するための プロジェクト名(URI) を指定します。


  2. sed を実行して一括置換。
    コマンドプロンプトを開きます。
    プロジェクトディレクトリ(/opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject)に移動します。
    次のコマンドを実行します。
    # ./makeconf.sh linux.sed
    または
    # bash makeconf.sh linux.sed
    (makeconf.sh の中から sed を呼び出しています。)
    この結果、sed.files に登録されているファイルに対して、一括置換が行われます。

4-5-2. 手作業によるコンフィグレーションファイル編集

次のように各コンフィグレーションファイルを編集します。

4-6. 起動

まず、Tomcat を再起動します。
まだ Tomcat を起動していない場合は、起動します。

次に Webtribe を起動します。
Webtribeの起動は、起動メッセージをコンソールに出力するrund.shと起動メッセージをログファイルに出力するrun.shがあります。

ポイントPoint
Webtribeを実行するためには Tomcat の他に、事前に PostgreSQL が起動している必要があります。
まだ、起動していない場合は、起動しておいてください。

4-6-1. run.shによる起動

WEB-INF ディレクトリにある run.sh を実行します。
ここでは /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject/WEB-INF/run.sh になります。
/opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject/WEB-INF ディレクトリに移動して、次のコマンドを実行します。

# ./run.sh start
ポイントPoint
WEB-INF/logsディレクトリにrun.shが起動したプログラムのログファイル(*.out.log)が出力されています。各ログファイルの最後に「successfully」が出力されていれば、正常に起動しています。
(RMIのログファイルには「successfully」は出力されません。)

以下のコマンドを実行するとrun.shが起動した各プログラムの状態を確認できます。

# ./run.sh status
./ExecServer.sh status: RMIRegistry (pid 4494) running
./ExecServer.sh status: ToolDBServer (pid 4529) running
./ExecServer.sh status: ToolApServer (pid 4566) running
./ExecServer.sh status: ToolAp4Engine (pid 4601) running
./ExecServer.sh status: RunDBServer (pid 4536) running
./ExecServer.sh status: RunDBServerJob (pid 4552) running
./ExecServer.sh status: RunApServer (pid 4582) running

4-6-2. rund.shによる起動

WEB-INF ディレクトリにある rund.sh を実行します。

ここでは /opt/apache-tomcat-6.0.29/webapps/myproject/WEB-INF/rund.sh になります。

# ./rund.sh start
ポイントPoint
コンソールに起動した各プログラムの起動メッセージが出力されます。各起動メッセージの最後に「successfully」が表示されていれば、正常に起動しています。
(RMIの起動メッセージには「successfully」は表示されません。)

以下のコマンドを実行するとrund.shが起動した各プログラムの状態を確認できます。

# ./rund.sh status
./ExecServer.sh status: RMIRegistry (pid 4494) running
./ExecServer.sh status: ToolDBServer (pid 4529) running
./ExecServer.sh status: ToolApServer (pid 4566) running
./ExecServer.sh status: ToolAp4Engine (pid 4601) running
./ExecServer.sh status: RunDBServer (pid 4536) running
./ExecServer.sh status: RunDBServerJob (pid 4552) running
./ExecServer.sh status: RunApServer (pid 4582) running

ポイントPoint
run.sh および rund.sh はすべてのサーバプログラムを起動するため、まだ動作確認ができていない段階でエラーが出ると、どこでエラーが起きているかがわかりにくくなります。
プロジェクトを新規作成した後、初めてWebtribeを起動する場合は、まずひとつずつ正常に起動することを確認していく方法をお勧めします。

ひとつずつ動作確認する場合は、次の順番でシェルファイルを実行してください。
  1. ./RMI.sh start
  2. ./ToolDBServer.sh start
  3. ./ToolApServer.sh start
  4. ./ToolAp4Engine.sh start
  5. ./RunDBServer.sh start
  6. ./RunDBServerJob.sh start
  7. ./RunApServer.sh start

起動メッセージはコンソールに出力されます。


 

5. Windows + DB2 でのサーバセットアップ

5-1. WAR ファイル展開

  1. war ファイルをコピー
    CD-ROM またはダウンロードしたファイルから webtribe.war をコピーします。
    コピー先は Tomcat の webapps ディレクトリです。
    今回の例では、c:\Tomcat6.0\webapps ディレクトリに webtribe.war をコピーします。
  2. webtribe.war をリネーム
    コピーした webtribe.war をプロジェクト名にリネームします。
    今回の例では、myproject.war にリネームします。
  3. Tomcat を起動
    Tomcat を起動すると、myproject というディレクトリが c:\Tomcat6.0\webapps に作成され、その中に myproject.war の内容が展開されます。
    すでに Tomcat が起動している場合は、いったん終了してから起動し直します。
補足補足
この段階でのディレクトリ構成は次のようになります。
c:\Tomcat6.0
    |
    +-- webapps
          |
          +-- myproject
                |
                +-- images
                +-- META-INF
                +-- WEB-INF
                      |
                      +-- client(Java Application Client)
                      |     |
                      |     +-- conf(クライアント用設定ファイル)
                      +-- conf(サーバ用設定ファイル)
                      +-- lib(サーバ用 JAR ファイル)
                      +-- logs(サーバ用ログ出力先)
                      +-- ntservice(以下省略)
                      +-- pid(UNIX 環境用)
                      +-- repository
                            |
                            +-- db(リポジトリDB 構築用 Create 文)
                            +-- import(リポジトリ初期設定用 XML ファイル)

5-2. リポジトリDB 作成

リポジトリ定義情報を格納するためのデータベースを作成します。


DB2 の場合は次のような手順になります。
  1. データベース作成
    テーブルを格納するためのデータベースを作成します。
  2. アクセス権限付与
    データベースにアクセスするための権限を付与します。
  3. テーブル作成
    リポジトリ定義情報を格納するテーブルを作成します。

ここでは、次のような前提で進めていきます。

項目 内容
DB2インストールフォルダ C:\SQLLIB
データベース名 projrp
DB2ユーザID projrp
DB2パスワード projrp
DB2ユーザに与える権限 CREATETABLE, CONNECT

  1. データベース作成
    DB2 の コマンド行プロセッサ を起動し、以下のコマンドを入力してデータベースを作成します。
    db2 => create database projrp

  2. アクセス権限付与
    OSのユーザとして projrp を作成します。
    DBAMD権限を持つユーザ(DB2のインストールユーザ)でデータベースに接続します。
    今回の例では ユーザID:db2admin、パスワード:db2admin とします。
    db2 => connect to projrp
    もしくは
    db2 => connect to projrp user db2admin using db2admin
    接続に成功すると以下のような出力があります。
    データベース接続情報
    
    データベース・サーバー      = DB2/NT 8.1.3
    SQL 権限 ID              = DB2ADMIN
    ローカル・データベース別名  = PROJRP
    
    以下のコマンドを実行し、ユーザにCREATETABLE, CONNECT権限を付与して下さい。
    db2 => grant createtab,connect on database to user projrp

  3. テーブル作成
    テーブルを作成するための SQL は、WAR ファイルを展開したディレクトリにあります。
    ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\repository\db\db2.sql になります。
    db2.sql ファイルをテキストエディタで開き、ファイルの先頭に以下を追加して下さい。
    connect to projrp user projrp using projrp
    DOSコマンドプロンプト から次のコマンドを入力して、db2.sql を実行します。
    C:\SQLLIB\bin>db2cmd db2clp db2 -cf c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\repository\db\db2.sql
    テーブルが作成されたらDOSコマンドプロンプトを終了します。
    db2.sql実行時の出力例
    データベース接続情報
    データベース・サーバー      = DB2/NT 8.1.3
    SQL 権限 ID              = PROJRP
    ローカル・データベース別名  = PROJRP
    
    DB20000I  SQL コマンドが正常に終了しました。
    DB20000I  SQL コマンドが正常に終了しました。
    ・
    ・
    DB20000I  SQL コマンドが正常に終了しました。
    

5-3. 業務用DB 作成

業務用テーブルを格納するためのデータベースを作成します。

補足補足
すでに業務用テーブルがある場合は、読み飛ばしてください。


DB2 の場合は次のような手順になります。
  1. データベース作成
    テーブルを格納するためのデータベースを作成します。
  2. アクセス権限付与
    データベースにアクセスするための権限を付与します。
  3. テーブル作成
    業務用データを格納するテーブルを作成します。

ここでは、次のような前提で進めていきます。

項目 内容
DB2インストールフォルダ C:\SQLLIB
データベース名 projap
DB2ユーザID projap
DB2パスワード projap
DB2ユーザに与える権限 CREATETABLE,CONNECT

  1. データベース作成
    DB2 の コマンド行プロセッサ を起動し、以下のコマンドを入力してデータベースを作成します。
    db2 => create database projap

  2. アクセス権限付与
    OSのユーザとして projap を作成します。
    DBAMD権限を持つユーザ(DB2のインストールユーザ)でデータベースに接続します。
    今回の例では ユーザID:db2admin、パスワード:db2admin とします。
    db2 => connect to projap
    もしくは
    db2 => connect to projap user db2admin using db2admin
    接続に成功すると以下のような出力があります。
    データベース接続情報
    
    データベース・サーバー      = DB2/NT 8.1.3
    SQL 権限 ID              = DB2ADMIN
    ローカル・データベース別名  = PROJAP
    
    以下のコマンドを実行し、ユーザにCREATETABLE, CONNECT権限を付与して下さい。
    db2 => grant createtab,connect on database to user projap

  3. テーブル作成
    DB2 の コマンド行プロセッサ でデータベースに接続し、業務用テーブルを作成するための SQL を実行します。
    db2 => connect to projap user projap using projap

5-4. コンフィグレーション編集


コンフィグレーションの設定には次の 2通りの方法があります。
  1. sed によるコンフィグレーションファイルの一括置換。
    ディレクトリ設定やポート番号の指定等の設定は、いくつかのコンフィグレーションファイルに記述しておく必要があります。 この設定をファイルに指定しておき、そのファイルを sed が読み込んで、コンフィグレーションファイルを一括置換する方法です。
    一括置換を行うためには sed が必要になります。
    また、bash を使って sed を起動する仕組みになっていますので、bash も必要になります。
    sed, bash はcygwin等に含まれていますので、まだ sed がない場合は、まず cygwin 等をセットアップしてください。
  2. 手作業でコンフィグレーションファイルを編集。
    エディタを使ってコンフィグレーションファイルを編集します。

5-4-1. sed によるコンフィグレーションファイルの一括置換

  1. 置換内容を編集。
    置換内容を記述したテンプレートが用意されていますので、そのファイルを編集します。
    テンプレートのファイル名は windows.sed で、今回の例では c:\Tomcat6.0\webapps\myproject にあります。
    補足補足
    テンプレートファイルやコンフィグレーションファイル内では、置換対象文字列は s#@{置換対象文字列}#置換後文字列#g という形式で記述されています。


    今回の例では、テンプレートファイルを次のように編集します。
    置換対象文字列 置換後文字列 備考
    @{WEDGEROOT} @{TOMCATHOME}/webapps/@{PROJECTID}

    プロジェクトのディレクトリを指定します。

    (例) c:\Tomcat6.0\webapps\myproject

    今回は変更する必要はありません。

    @{WEDGESERVERROOT} @{TOMCATHOME}/webapps/@{PROJECTID}/WEB-INF プロジェクト内でのサーバディレクトリを指定します。

    (例) c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF

    今回は変更する必要はありません。

    @{PROJECTNAME} myproject プロジェクト名を指定します。
    @{JAVAHOME} c:\\Program Files\\Java\\jdk-11 JDKをセットアップしたディレクトリを指定します。
    sed で \ を指定する場合は、二重に記述(\\)する必要がありますので注意してください。
    @{SERVERHOSTFORSERVER} localhost

    Webtribe の各サーバ間で接続するための IP アドレスを指定します。

    @{SERVERHOSTFORCLIENT} 192.168.1.1 サーバ(セットアップをしているマシン)にクライアントから接続するための IP アドレスを指定します。
    @{HTTPPORT} 8080 HTTP 接続をするためのポート番号を指定します。
    今回は Tomcat のデフォルト設定を使いますので、8080 に設定します。
    @{RMIPORT} 56246 RMI 通信で使用するポート番号を指定します。
    今回は 56246 を指定します。
    @{HTMLALIAS} /@{PROJECTID} HTML ドキュメントにアクセスするための URI を指定します。
    今回は変更する必要はありません。
    @{SERVLETALIAS} /@{PROJECTID}/servlet サーブレットにアクセスするための URI を指定します。
    今回は変更する必要はありません。
    @{TOOLJDBCDRIVER} c:/jdbc/db2java.zip リポジトリデータベースに接続するために使う JDBC ドライバのパスを指定します。
    @{TOOLJDBCCLASS} COM.ibm.db2.jdbc.net.DB2Driver リポジトリデータベースに接続するために使う JDBC ドライバのクラス名を指定します。
    @{TOOLJDBCURL} jdbc:db2://127.0.0.1:6789/projrp リポジトリデータベースに接続するための JDBC の URL を指定します。
    @{TOOLJDBCUSER} db2admin リポジトリデータベースに接続するためのユーザIDを指定します。
    @{TOOLJDBCPASS} db2admin リポジトリデータベースに接続するためのパスワードを指定します。
    @{RUNJDBCDRIVER} c:/jdbc/db2java.zip 業務データベースに接続するために使う JDBC ドライバのパスを指定します。
    @{RUNJDBCCLASS} COM.ibm.db2.jdbc.net.DB2Driver 業務データベースに接続するために使う JDBC ドライバのクラス名を指定します。
    @{RUNJDBCURL} jdbc:db2://127.0.0.1:6789/projap 業務データベースに接続するための JDBC の URL を指定します。
    @{RUNJDBCUSER} db2admin 業務データベースに接続するためのユーザIDを指定します。
    @{RUNJDBCPASS} db2admin 業務データベースに接続するためのパスワードを指定します。
    @{SERVERRULEPATH} lib/wedge-rule-common-1.6.0.jar,lib/wedge-rule-server-1.6.0.jar RunApServer がダイナミックにロードするロジッククラスのパスを指定します。
    複数指定する場合はカンマ(,)で区切ります。
    使用するロジッククラスが class ファイルとして存在する場合は、ディレクトリを指定します。

    (例) classes ディレクトリに class ファイルが存在する場合。
    classes,lib/wedge-rule-common-1.6.0.jar,lib/wedge-rule-server-1.6.0.jar
    @{SQLXML} Sql.db2 リポジトリデータベースにアクセスする SQL が格納された WedgeServer.jar 内でのパスを指定します。
    このパスは JAR ファイル内での conf/xml 以下のパスを指定します。

    今回は DB2 を使いますので、WedgeServer.jar 内の conf/xml 以下にある Sql.db2 を指定します。
    @{RUNCLIENTATTESTATION} PmcAttestation RunClient の認証方法を指定します。
    PmcAttestation, RunClientAttestation のどちらかが指定できますが、今回は PmcAttestation のままにしておきます。
    @{DESKTOP} 上の項目で PmcAttestation を指定した場合は、この設定は無視されますので、何も指定しないままにしておきます。
    RunClientAttestation を指定した場合は、Project Management Consoleで設定したデスクトップの物理名を指定します。
    @{PROJECTID} myproject プロジェクト名を指定します。
    @{TOMCATHOME} c:/Tomcat6.0 Tomcat をセットアップしたディレクトリを指定します。
    この設定は Java のプログラムが参照しますので、円マーク(\), スラッシュ(/) のどちらでも使えますが、円マークを指定する場合は、二重に指定してください。

    (例) c:\\Tomcat6.0
    @{SOCKETPORT} 54321 管理サーバに接続するためのポート番号を指定します。
    この番号は、ライセンスファイルに記述されているポート番号と同じ番号を指定します。
    @{CONTROLSERVLETALIAS} /WebtribeControlServer/servlet 管理サーブレットに接続するための プロジェクト名(URI) を指定します。


  2. sed を実行して一括置換。
    コマンドプロンプトを開きます。
    プロジェクトディレクトリ(c:\Tomcat6.0\webapps\myproject)に移動します。
    次のコマンドを実行します。
    bash makeconf.sh windows.sed
    (makeconf.sh の中から sed を呼び出しています。)
    この結果、sed.files に登録されているファイルに対して、一括置換が行われます。

5-4-2. 手作業によるコンフィグレーションファイル編集

次のように各コンフィグレーションファイルを編集します。

5-5. サービス登録

Webtribeはバッチファイル、サービスのどちらからでも起動できます。
Webtribeをサービスから起動、停止できるようするためには、サービスに登録する必要があります。
Webtribeをバッチファイルからのみ起動される場合は、読み飛ばしてください。

  1. サービス登録
    Webtribeをセットアップしたディレクトリの WEB-INF\ntservice ディレクトリにある regist.bat を実行します。
    ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\ntservice\regist.bat を実行します。

    注意注意
    サービスの登録を行うには、管理者権限が必要になります。 Windowsに管理者権限をもつユーザでログオンしてから、サービスの登録を実行してください。


  2. 確認
    コントロールパネルからサービスの画面を開き、登録されているかどうか確認します。
    今回のケースでは次のサービスが登録されます。
    • myprojectRMI
    • myprojectRunApServer
    • myprojectRunDBServer
    • myprojectRunDBServerJob
    • myprojectToolApRmi4Engine
    • myprojectToolApServer
    • myprojectToolDBServer
    • myprojectWaker

補足補足
登録したサービスを削除する場合は、unregist.bat を実行します。
ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\ntservice\unregist.bat になります。

5-6. 起動

まず、Tomcat を再起動します。
まだ Tomcat を起動していない場合は、起動します。

次に Webtribe を起動します。
Webtribeの起動は、バッチファイルから起動する方法と、サービスから起動する方法の 2通りがあります。

ポイントPoint
Webtribeを実行するためには Tomcat の他に、事前に DB2 および DB2 JDBC アプレット・サーバ が起動
している必要があります。まだ、起動していない場合は、起動しておいてください。

5-6-1. バッチファイルによる起動

WEB-INF ディレクトリにある run.bat を実行します。
ここでは c:\Tomcat6.0\webapps\myproject\WEB-INF\run.bat になります。

ポイントPoint
各コマンドプロンプト画面の最後に「successfully」と表示されたら、正常に起動しています。

ポイントPoint
run.bat はすべてのサーバプログラムを起動するため、まだ動作確認ができていない段階でエラーが出ると、どこでエラーが起きているかがわかりにくくなります。
プロジェクトを新規作成した後、初めてWebtribeを起動する場合は、まずひとつずつ正常に起動することを確認していく方法をお勧めします。

ひとつずつ動作確認する場合は、次の順番でバッチファイルを実行してください。
  1. RMI.bat
  2. ToolDBServer.bat
  3. ToolApServer.bat
  4. ToolAp4Engine.bat
  5. RunDBServer.bat
  6. RunDBServerJob.bat
  7. RunApServer.bat

5-6-2. サービスによる起動

サービスから myprojectWaker を開始します。
myprojectWaker を開始すると、依存関係が設定された他のサービスも開始します。

ポイントPoint
各サービスでコンソール(標準出力)に出力された内容はログファイルに記録されます。
ログファイルは各サービスのディレクトリ(WEB-INF\ntservice ディレクトリ以下)に、起動した年月日、時刻のファイル名で作成されます。
各ログの最後に「successfully」と出力されていたら、正常に起動しています。
(Waker のサービスは正常に起動しても、ログに「successfully」は出力されません。)

ポイントPoint
myprojectWaker はすべてのサーバプログラムを起動するため、まだ動作確認ができていない段階でエラーが出ると、どこでエラーが起きているかがわかりにくくなります。
プロジェクトを新規作成した後、初めてWebtribeを起動する場合は、まずひとつずつ正常に起動することを確認していく方法をお勧めします。

ひとつずつ動作確認する場合は、次の順番でサービスを開始してください。
  1. myprojectRMI
  2. myprojectToolDBServer
  3. myprojectToolApServer
  4. myprojectToolApRmi4Engine
  5. myprojectRunDBServer
  6. myprojectRunDBServerJob
  7. myprojectRunApServer